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生活習慣病の改善

《生活習慣病とは?》

生活習慣病は、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する症候群のことを指しており、以下のような疾患が含まれるとされています(厚生労働省ホームページより)。

食習慣:糖尿病、肥満、脂質異常、高尿酸血症、循環器病、大腸がん、歯周病等
運動習慣:糖尿病、肥満、脂質異常、高血圧症等
喫煙:肺扁平上皮癌、循環器病、慢性気管支炎、肺気腫、歯周病等
飲酒:アルコール性肝疾患等

この中で、食習慣、運動習慣両方に影響される高脂血症、糖尿病について解説します。

《脂質異常症とは?》

「脂質異常症」とは血中のコレステロールや中性脂肪が高いことを言います。これら血液中の脂肪の異常は、血管を傷つけ動脈硬化を進ませる大きな原因のひとつであることがわかっています。コレステロールが高い人では、低い人たちに比べて心筋梗塞を起こす確率が高率だったという報告もあります。コレステロールには悪玉と呼ばれるLDL、善玉と呼ばれるHDL、中性脂肪があり、LDLは120mg/dl未満、HDLは40mg/dl以上、中性脂肪は150mg/dl未満を正常としており、治療を受けている患者さんは約200万人いるとされています。

《糖尿病とは?》

 現在日本には糖尿病の患者さんが950万人いるといわれています(平成24年厚生労働省調べ)。糖尿病とは、血糖をコントロールしているインスリンという物質の作用不足により血液中に含まれる糖分が正常より高くなってしまい、それによって全身の血管が痛めつけられてしまう病気です。

 糖尿病の怖いところは、よほど血糖値が高くならない限り自覚症状が現れないことです。症状がないからといって放っておくと、じわじわと血管が痛めつけられてしまい、合併症が進んでしまうことになるのです。怖いのはこの合併症です。失明に至る可能性のある網膜症、透析になる可能性のある腎症、最終的に足の切断に至る可能性のある神経症、心臓を栄養している血管が狭くなったり詰まったりする狭心症や心筋梗塞などの合併症の可能性があり致命的になる病気も含まれています。

 糖尿病の指標は、血糖値そのものやヘモグロビンA1c(HbA1c)などがあります。血糖値はその日の食事や運動などによって変わりますが、HbA1cは約1ヶ月間の血糖値の動きを反映します。正常値は6.2%以下、糖尿病の人の治療目標は7%未満と言われています。

 

脂質異常・糖尿病の改善について

 薬物治療も選択肢の1つですが、食事・運動療法で改善できる可能性も十分あります。食事は、まず総カロリー摂取量を下げることが基本となります。一日で摂取すべき理想の総カロリーは、標準体重(身長(m) x 身長(m) x 22) x 25-30 kcal/日の式で計算できます。次に大切なのは食事のバランスです。理想的には主食(ごはん、パン、麺など)1品、主菜(肉、魚、大豆製品など)1品、副菜(野菜、海藻、きのこ)2品を基本とします。コレステロールは摂取量を1日200mg未満に抑えることが望ましく、脂身の多い肉、卵、乳製品、菓子類、お酒などはなるべく避けることが重要と以前は言われていましたが、最近の報告では摂取カロリーを抑えることがより重要とされています。つまりある特定の食材を避けることよりもバランスよく食べることがより重要と思われます。

運動療法は有酸素運動(ウオーキング、ジョギング、自転車、水泳など)を15-30分、週3-4回以上、軽く汗ばむ程度まで行うことが血糖コントロール、インスリン感受性の改善、HDLの増加に効果的です。これに加え、週2回程度の筋力トレーニングを加えることで骨格筋量の増加と質の向上で基礎代謝が増えるため、運動していない時もエネルギー消費が多くなります。